ちゃんいまの、きょうコレにハッとしました!

きょうハッとしたことを記録するブログです

『夫のちんぽが入らない』こだま著:普通じゃないと傷つく生き物と大人であると言うこと。

本日『夫のちんぽが入らない』という本を読んだ。

 

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途中で涙が止まらなくなってしまって、

読んでいたチェーンの喫茶店は仕事帰りのサラリーマンで少し混んでいて

人目があって恥ずかしかったけれど、

続きを読みたくて、こっそりハンカチで涙を何度も拭きながら、読んだ。

 

『夫のちんぽが入らない』は、作者のこだまさんの実体験をもとにした私小説

とても話題になっていたから、もちろん作品は知っていた。

でも、まさか、自分がここまで心が揺さぶられるとは読んでる途中までは思いもしなかった。

 

物語は、大学進学ともに主人公が上京したところから始まる。

隣の部屋に住む、一個上の先輩に恋をし、

「兄妹みたい」と言われた二人はすぐさま恋人になった。

でも、二人はいわゆる普通のセックスができなかった。

そんな二人の20年にわたる物語。

20年の間に主人公は

教師になり、結婚し、血を流してまでセックスしようと頑張ったり

自信がなくなったり、仕事をやめたり、病にかかったり、子供を産まないという選択をしたりする。誰かには普通にできていることに挫折してしまった人も物語とも言えると思う。

 

生きていればよくなったり安定する一方だと思っていたけれど

人生、生きれば生きるほどうまくいかないことが増えてくる。

もちろんうまくいく人もいる。

でもその裏に、思っている以上にうまくいかない人もきっと存在する。

気付いたら、どうしてここにいるのかわからないところに立っていたりする。

ある日突然思いもよらぬ事態に遭遇する。

大人だから明日も日常があるし、大人だから自分の都合のいいように1~10まで話を聞いてくれる友人なんてもういない。この心のモヤモヤを抱えて明日も生きていかなくてはならない。

平然と日常を過ごさなくてはならない。

 

 「向こうのご両親に一度謝りにいかないといけないね」

お母さんが主人公と旦那の実家に謝りに行くくだりで、私はダメだった。

それまでは普通に読んでいたのに、突然、涙が止まらなくなった。

 

それは、まだ子供を産んでいない自分と主人公を重ねたのかもしれないし、

仕事が全然うまくいっていない自分とも重ねたのかもしれないけど

一番は、『あぁ、私も、世の中でいう普通のことでできていないってことに実はとても傷ついていたんだな』ということに気付いてしまったからだと思う。

 

文字通りの意味で、本当は誰もが他人には分かってもらえないと思っている深い苦しみを(大なり小なり)抱えているのではないか。

大人だから普段は決してみせないけれど、辛く寂しい夜が誰にだってある。

主人公の夫も静かに心を病んでいったし、でもそれをイチイチ人にわかってくれなんて言ったりしないで、生徒に普通に接して、でも、薬を実は飲んでいる。そういうことだ。

今、この瞬間も、誰かに辛く寂しい夜が訪れている。

 

言う必要もないんだけど、何を隠そう

さっきもちょっと言いましたけど今年の私は『半分青い』の漫画家時代の鈴愛みたいに何もかもドン詰まりの年で、

結婚も出産もしていないからせめて仕事で頑張りたかった。

でも、部署を移動したら仕事がうまくいかなくて、自信もなくなって、

今までみたいに頑張れなくなってしまった。

久々にどんなふうにこれから生きていったらいいかわからなくなった。

挫折してしまった。それが私の2018だ。こんなはずではなかった。

でも、少しでも、良くなる方へ行きたい。

 

 

「子供、できるかな。私、育てられるのかな。」

~中略~

「あんたの産む子が悪い子に育つはずない。」

夫はそう断言した。思いもよらない一言だった。

 

(さらに初めて主人公の実家を訪れた時、主人公の父が言った。)

「うちの娘は気が利かないし、はっきりものを言わない。思っていることを全然言わんのです。全く情けない限りですよ。」

(に対して)

「そうですか?僕はこんな心の純粋な人、見たことないですよ。」

あの時も夫は迷いもなく、まっすぐ言ったのだった。

 

でも、きっと生きていたらきっとこんな奇跡みたいな瞬間もあるってやっぱり思いたい。

  

見えている部分なんてきっとその人のほんのほんの一部だ。

本当に深く抱えてることほど、他人には言えないんだ。

 

 

でも私は目の前の人が散々考え、悩み抜いた末に出した決断をそう生きようとした決意を、

それは、違うよなんて軽々しく言いたくはないのです。

人に見せていない部分の育ちや背景全部ひっくるめて、その人の現在があるのですから。

それがわかっただけでも、私は生きてきた意味があったと思うのです。

 

これは、悩みに悩んで、そして決意した人の言葉だ。

ちゃんと悩んだんだ。そして、決意できたんだ。

私にもできるだろうか。決意して、一歩踏み出せるだろうか。

今はわからなくても明日はくる。数時間後には日が昇る。

そして、私は明日も仕事をするだろう。

だって、一応、大人だから。

 

 

 

私の声、届くだろうか。