ちゃんいまの、きょうコレにハッとしました!

きょうハッとしたことを記録するブログです

『サラバ』西加奈子著:サラバを見つけ出すというながいながい旅

ずっと強い人に憧れていた。

さっさと決断できる人、自然体で堂々をしていられる人・・・

私にあるのは、やりたいことだけで、でも成し遂げられていないから自信はなくて

いつも強くつよくなりたいって思っていた。

 

そして、『サラバ』に出会った。

f:id:cyan_imai:20180306211359j:plain

『舞台』に続いてこの本もとんでもなく素晴らしく、

(上・中・下の)「下」の特に後半からは(ちょっと読むつもりが)泣き続け、

一気に読んでしまった。

『サラバ』は、垰(あくつ)歩の、人生の物語である。

『僕はこの世界に、左足から登場した。』

という一文から始まるこの小説は、いつかのテレビ番組で

「この言葉が浮かんできたから、この小説を書こうと思った」と西さんが言っていた。

 

そう、前回の『舞台』が「恥」という感情をあらゆる角度からひっぺがし、見つめてみるという作業なのだとしたら、

今回は文字通りコトバの一文字一文字から、

人生という壮大な物語が紡ぎ出されていく小説だった。

 

そして、そのコトバたちに、私は文字通りに、笑い、泣き、ハッとさせられた。

おー、わかる!わかるぞ、歩!!

生きていればこういう経験、誰にだって、誰にだってきっとあるのだ。

歩が体験し、感じる!

そのいちいちに私は笑い、

時には、ああ奇跡みたいな瞬間だと思い、

後半は、まさかあの歩がこんな風になってしまうなんて!!!

と驚きを隠せない。

 

父と母のことだって、(わからないけど)わかるのだ。

みんなが辛いことは、わかるのだ。

 

だって人間は、辛いこと、恥ずかしいこと、みんなきっと抱えて生きているから。

それを言わずに死ぬ人もいるだろうし、言わなくてはいけない人もいるだろう。

思わず聞いてしまう人もいるだろう。

 

歩が生まれた時からこれまで歩とは一緒の時間を過ごしたけれど、

ラスト、歩は初めて私たちに向かって語りかける。

(もうその西さん手腕といいたら本当に本当にいきなりこちらに焦点がガチっと向いて

本当に本当に圧巻なのです、よ!!!)

 

強いひとが強い理由(と思われる理由)がそこにあった。

歩にとってはそれは、サラバで、家族という人も多いだろう。

仕事の人も、友達の人も、信仰の人もいるだろう。

私のサラバは、きっとこれから見つけなくてはならない。

見つかるだろうか。見つかりそうな気もするし、それをサラバにしてしまうのが

ちょっと怖い気もしている。

 

でも、きっときっと西さんはこれからみんなに生きていてほしいから、

人生って本当に素晴らしいし、辛いことや思いがけないことだって起きるけど

でもサラバがあればきっと生きていけるんだ

って教えてくれた気がしてならないので、

私も元気に精一杯に生きて生きたいなって思うのです!!

 

十代のうちに読んでいたら

本当に本当に人生どうなっているんだろうって思うくらい

素晴らしい本に出会えてよかった!!

 

 

ありがとう。

 

 

文庫も出てます!!

ご興味持たれましたら、是非に!!